MENU

Global Bridge

〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山 942
TEL:03-6435-6816(総合受付)FAX:03-6435-6816
お問い合わせ

News

【Health Science Blog】Vol.20「筋肉痛って乳酸とどう関係があるの?」

2021/03/29

「筋肉痛って乳酸とどう関係があるの?」
筋肉痛は、普通激しい運動を行ってから24時間~48時間後に起こることが多く、運動不足の人達に特に顕著にみられますが、ある程度定期的にトレーニングをしていても、起こることがあります。
「乳酸が溜まって、筋肉痛が起こる」というのは迷信であり、最近の研究では、乳酸は殆ど関係がないと言われています。
未だに完璧な答えは見つかっていないのが現状ですが、筋肉痛が起こるプロセスについては、以下のように考えられています。

筋肉痛の起こるプロセス
① 激しい運動を行うことで、筋肉の細胞にダメージが生まれる。
② ダメージのために菌小胞体から、カルシウムが漏れる。(図1参照)漏れたカルシウムはミトコンドリアが集めるが、エネルギーの精製(ATP)に悪影響を及ぼす。
③ カルシウムは、タンパク質分解酵素であるプロテアーゼの分泌を促進させることで、細胞のタンパク質を分解し始める。
④ これによって炎症が起こり、カリウム・プロスタグランジン・ヒスタミンなどを増加させ、痛覚受容体を刺激することで筋肉痛となる。

149135988_3774515342628698_4458761194669273552_n

筋肉痛は毎回起こるの?
“Repeated Bout Effect”と呼ばれる現象があります。
これは、一度筋肉痛を起こした運動を、筋肉痛から回復した後にもう一回やっても、筋肉痛にはなりにくいという現象です。
皆さんも経験したことがあるかと思いますが、筋肉痛は一度起これば、同じ運動から再度起こることは稀です。(もちろん、長くやっていなければ、再度起こることもありますが・・・)

147380121_3774515709295328_710575502967385162_o

3つの理論が、このRepeated Bout Effectを説明しています。
① 神経理論:筋肉痛が起こる時は、速筋(大きな力を生み出すが持久力の無い筋肉)がたくさん使われなかった結果によるものなので、同じ運動を行う時は、体がより多くの速筋を使用するようになるから、筋肉痛が起こりにくくなる という理論。
② 結合組織理論:筋肉痛による筋肉へのダメージから、結合組織が強くなり、筋肉を保護する機能が高まるため、同じ動きに対する体制が強まる という理論。
③ 細胞理論:筋肉痛が起こることで、新しいタンパク質を合成することになり、筋肉を守る役割をするようになる という理論。

伸張性収縮(Eccentric contraction)が筋肉痛を引き起こしやすい
以前から何度か説明してきた、筋肉の伸張性収縮(Eccentric contraction)ですが、筋肉痛を引き起こす可能性が高まるとの報告もあります。おさらになりますが、伸張性収縮は、衝撃の吸収に役立つため、膝や足首などを守るためには必要な筋肉の動きとなります。

復習になりますが、伸張性収縮とは筋肉が使われているけど、伸びていく状態を意味します。通常、筋肉は収縮した時に働きますが、何かしらの負荷を受けてそれをゆっくりと伸ばしていくときにも使われています。
伸張性収縮は、運動時の衝撃吸収において非常に重要な役割を持っていますが、筋肉痛を引き起こしやすいと言われています。これを避ける方法としては、まずは短縮性収縮(Concentric contraction)のトレーニングから入ることが推奨されています。図2の上腕二頭筋の例で言うと、まずは普通のBiceps Curl(図3)から行うことが重要になります。

148072656_3774515955961970_8468806168420557566_n

この際には、負荷(図3内ではダンベルだが、他の物も使用可能)を上げる時を意識して、戻すときは上腕二頭筋をリラックスさせることが重要になります。まずは、このような普通の短縮性収縮を意識したトレーニングを行い、その後伸張性収縮にも取り組んでいくことが推奨されます。別の例ですと、図4に見られるスクワットにおいて、「しゃがむ時はできるだけ早くしゃがんで、元の位置に戻る時(立ち上がる時)に大腿四頭筋を強化する」という従来のスクワット運動が短縮性収縮だということを考えると、まずはこのトレーニングを多く行うことが推奨されます。
その後、しゃがんでいく速度をゆっくりにしていくことで、しゃがんでいる時にも大腿四頭筋が使われるようになり、筋肉自体は伸びていっているけど使われているという伸張性収縮のトレーニングを取り入れるようにします。
大腿四頭筋の伸張性収縮に関しては、膝への衝撃を吸収したりする作用があるため、積極的にトレーニングをしていきたいところではありますが、まずは短縮性収縮で慣らしていくところから始めましょう。

148977226_3774517065961859_3020090730552631288_n

最後に、
膝への衝撃を減らすための足首の使い方をサポートするISEALインソールの活用をジョギング・ウォーキング、その他の運動をする際にはご利用ください。エネルギー効率も高まるため、関節への負担を軽減することができます。
また、物理や健康を始めとした様々な科学について、分かりやすく解説したYouTube番組を作成しました。犬のゴンちゃんとネズミのミクロちゃんというコンビが、宇宙の謎を解き明かしていくストーリー仕立てになっています!最終的にはタイムマシンを作り、宇宙の時間を巻き戻そうとする陰謀を止める!という話になる予定です(笑)YouTubeのチャンネル登録とご視聴のほどもよろしくお願いいたします。

文責:Dr Hanatsu Nagano

Fong, C., Blackburn, JT., Norcross, MF., McGrath, M., Padua, DA. 2011. Ankle-dorsiflexion range of motion and landing biomechanics. Journal of Atheletic Training, 46 (1): 5-10.
Andriacchi, TP., Dyrby, CO. 2005. Interactions between kinematics and loading during walking for the normal and ACL deficient knee. Journal of Biomechanics, 38: 293-298.

#DrHanatsu
#ISEALインソール
#筋肉痛
#乳酸と筋肉痛
#伸張性収縮
#筋肉痛の原因
#筋肉痛の予防
#トレーニングと筋肉痛
#pcaピラティス

株式会社Global Bridge

〒107-0062 
東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山 942
TEL:03-6435-6816(Globalグループ総合受付) 
FAX:03-6435-6816

PAGE TOP