長野 放 Dr.Hanatsu Nagano PhD
株式会社Global Bridge 取締役社長
バイオメカニクス博士
ISEALバイオメカニクス博士研究員
北九州市生まれ。神奈川県立柏陽高校を経て、アメリカへ留学。
その後、メルボルンのビクトリア大学に「スポーツ医学・健康科学」専攻で入学。
修了後、優等学位に推薦され最高成績で修了。
高齢者の歩行分析の論文が「最優秀大学賞」を受賞。オーストラリア政府より「国際博士研究奨学金」を獲得し、授業料・生活費を返済不要にて給付される。
博士過程は、体のバランスと歩行機能向上インソールについて研究し、大学の知的財産として国際特許を取得。
バイオメカニクスの博士号取得以前から、例外的に研究機関(ISEAL)で研究員として膝関節炎とバランスの研究を手掛ける。
他に大手靴メーカーとの共同商品開発、滑りを防止する床の開発、ヴァーチャルリアリティ内での歩行分析、脳卒中患者の歩行トレーニング、肥満児童の健康促進などがある。
2016年現在、私たちは歴史的な転換期に直面しています。情報革命として広く認知されているインターネットの出現とSNSなどに見られる情報伝達の多様化、さらには3Dプリンティング・仮想空間・人工知能など、急速な技術の発展により、世界は新しい形へ進化している真っ只中です。加速する変化を伴う転換期には、未知のものへの不安から、人々はともすれば悲観的になりがちです。しかし急速な流れも、社会そのものに合理的に適合させていく意思があれば、悲観論は不要なのです。
日本という国に限定すると、世界一の超高齢社会を迎え、医療費や介護の問題など社会保障制度の破綻が危惧されています。少子高齢化は経済の停滞にも繋がり、雇用や税収にも影響を及ぼします。一見、絶望的な未来図ですが、これもさまざまな工夫や、合理的な対応により問題は徐々に解決されていくことになります。すなわち高齢化に付随する問題を解決するための、サービスや商品を提供する産業(特に健康産業)を活性化させることが、これからは重要になってきます。
現在、株式会社Global Bridgeは、日本の超高齢社会が生み出す問題のひとつである「転倒予防」に着目しています。転倒はもちろん怪我の原因になりますが、それだけにとどまらず、さまざまな二次的な健康被害に繋がる事実は意外にも知られていないところです。従って健康を損なってから治療を始めるという従来の医療では、進行する社会保障制度の破綻懸念には対応できないため、必然的に予防医療の推進が不可欠なテーマになっています。大切なことは、日本の健康促進商品・サービスの信頼性ということなのです。
世界的標準から見て、日本では健康促進を謳う商品・サービスに科学的根拠(エビデンス)が欠如しているケースが少なくなく、国際的アカデミズムが憂慮を表明する状態が続いています。世界の中にあって、曖昧さの機微や抽象概念の豊かさは間違いなく日本文化の優越性ですが、医療や健康対策など人命に直結する分野では、科学的検証を行ったものに答えを求めるべきでしょう。不確かなもの、現状を悪化させるものを排除し、お題目でしかない「健康促進」を見抜く、リテラシーの育成も同時に必要になってきます。
株式会社Global Bridgeは、事業においても科学的根拠(エビデンス)を重要視しています。オーストラリア・ビクトリア大学の健康・運動科学の研究機関ISEALと提携し、エビデンスに裏付けされた健康促進方法を、超高齢社会に役立てようとしています。エビデンスとは、効果を数値化し、統計学に基づく検証で効果が確認された場合を意味します。当然、偏った検証にならないよう、研究デザインなども厳しく管理されています。研究成果は、国際学会や国際学術誌に掲載されることで、初めて「エビデンス」として認められます。
世界を見渡せば、高齢化以外にも解決すべきさまざまな 問題があります。逆に言えば世界のどこかに、解決のヒントが既に存在している可能性が低くないということです。歴史的転換期を乗り越えるには、国際交流の中から生まれたイノベーションが役立つことは歴史が証明しているところです。株式会社Global Bridgeは、超高齢社会の問題に対する答えを追求し、世界全体へ発信していきます。その役割の担い手となる人材・事業に協力し、日本そして世界への貢献を志す架け橋となることに尽力していきたいと思います。